ローゼンブラックのさらなるつぶやき

とにかく色んなこと書いてます。twitterID:shimotsuki_6624

単位の深いイイ話(1/3)

はじめに

単位は普段皆さんがなんとなく使っているものでございますが、その単位というものはどのようにして決められているかということについてこだわりを持ったことがないかと思われます。今回は主に、単位が作られるに至った経緯についてご説明します。

 

単位とは

単位は、前回も少しご紹介があったように、量と数値を測定するための基準として用いられる一定量の大きさのことを言います。もちろん、皆さんが恐れている大学の卒業要件の数値で使われる単位もこれに相当します。というのも、1単位というのはその科目を習得するために必要な勉強すべき時間を基準に決められているからなのです。そして、この単位というのは物理量の間には定義の仕方によって相互関連があるからこそ、汎用性が高いのです。例えば周波数は時間の逆数のことを指しますので、周波数を求めることは、同時に時間を求めることになるわけです。さらに、面積や体積は長さの単位から関連づけられるわけです。このように単位というのはいくつか組み立てて用いることで別の単位を作ることができるというわけです。このような単位を組立単位と言います。そして、組み立てる前の、これ以上細かくしようがない次元として独立な単位のことを基本単位と言います。

 

単位系

単位系というのは基本単位や組立単位で構成された構成された単位の定義であります。例えば電気屋であればメートル、キログラム、秒、アンペアの単位を用いるMKSA単位系というものがあります。要するに、単位系というのはそれぞれの専門分野ごとに使う単位を構成して系を決めるというわけですね。

 

単位の国際化

単位というのは、単に基準となる一定の量を決めるだけでは使い物になりません。流通や比較や知識を共有する点において国際化も免れないわけですから、世界中で標準化されてこそ初めて使い物になるわけです。そこで、単位と標準を世界中で統一するのを目的に、1875年にメートル条約を成立させました。これを受けて、国際度量衡総会(CGPM)、国際度量衡委員会(CIPM)、国際度量衡局(BIPM)という標準化するための組織を結成したのです。先に書いた順に格が上になるわけですが、度量衡局は主に研究機関のことを指します。

 

SI単位(国際単位系)

SI単位というものはあらゆる単位系の中で最も広い分野で使われるものです。つまり、「全ての国が採用し得る一つの実用的な単位制度の確立」を目的に1960年に制定されました。現在基本単位としてメートル、秒、キログラム、ケルビン、モル、カンデラ、アンペアの7つの基本単位とそれらを組み合わせた組立単位と10の整数乗倍をします接頭語(k、μなどのSI接頭語)で構成されているのですが、組立単位は全て基本単位の乗除で構成されており、一貫性のある単位系ということになります。

 

次の項では基本単位の定義についてご紹介します。

 

 

測定の深イイ話

はじめに

どうも。今回から本格的にマニアックな話をしていこうかと思います。理系で欠かせないものといえば何と言ってもやはり実験ですよね。実験といえばもちろん測ることが必須であります。現象や物事を正確に測り、測った結果を正しく評価するということが測定実験の基本であります。今回はそんな測定の基礎についてご紹介致します。

 

測定とは

普段何気なく使っている「測定」という言葉ですが、厳密に言いますと「現象から定量的な情報を取り出す操作」のことを言います。要するに、とある科学的な現象から数字を出すということです。言われてみれば当たり前かもしれませんが、単純に数字を決めるだけではありません。実際、JISによりますと、「ある量を、基準として用いる量と比較して数値または符号を用いて表すこと」とあります。ここで、「基準として用いる量」というものがメートルやキログラムとか言った単位ということになるわけです。つまり、基準量を決めてそれを単位として比較して数値を決めるというわけですね。

今後の話をわかりやすくするために次の2つの用語の説明にも入ろうと思います。測定量や測定値も言葉の意味が少し違ってくるわけですね。

測定値・・・測定によって求めた値

定量・・・測定しようとする量

これだけ聞くとイメージしにくいかもしれませんが、要は測定値というのは実際に測定器などを使ってそれが示した値のことを指し、測定量というものは我々が求めている目的の数量の事を示しています。測定量というものは、測定値や単位を元に比較されるものなんですね。このように、何らかの目的を持って結果を用いて比較や考究などをする事を計測と言います。

 

測定の種類

実は測定にはいくつか種類があって、さらに名前まであるのです。

①零位法

零位法は、測定量を、別に用意した大きさを調節できる同種類の基準量と平衡させ、両者の差を検出する計器がゼロを示すようにして、その時の基準値の大きさから測定値を知る方法です。つまり、天秤のように、両者が等しくなるように調節して、別に用意した既知の量からそのまま対象を測定するというものです。我々電気屋がよく行う例としては写真で示したようなブリッジ回路の平衡条件から未知の抵抗を出すというものです。

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ここでGは検流計なのですがこれがゼロを示す、つまり電流が流れない条件、あるいは両者をつなぐ接続点での電圧が等しい条件を導き、既知の抵抗から測定したい抵抗を測定するわけです。

例えば、R1とR2とR4が既知であったとします。R3を知りたい場合、Aの電圧とBの電圧が等しくなるような条件から導くわけです。もしこの条件が等しければ、上2つの抵抗と下2つにかかる電圧降下は並列回路で等しくなる性質、また、それぞれ直流につながっている抵抗の分圧の条件から導くことができます。このように、零位法というのは両者の差をゼロにするという調節という行為が測定する上での味噌になるわけです。

 

②偏位法

偏位法は、測定量を原因とし、その直接の結果として生じる指示値から測定量を知る方法です。要するに、測定したい量がそのまま測定器が示す値の通りの値として測定するというシンプルな方法であるです。最も簡単ですぐに終わる測定方法なのですが、致命的な欠点があり、簡単に言って仕舞えば精度の高い測定ができないという点であります。言われてみれば当たり前かもしれないですが、その通りです。この方法は測定器を構成する要素の変動を考慮しないので、それを考慮できるように測定器の校正を行う必要があります。

 

③補償法

補償法は、測定量からそれにほぼ等しい基準量を引き去り、その差の小さい量を測って測定量を知る方法です。つまり、非平衡状態の時の測定量と平衡状態の時測定量の差を知るという方法です。同様にして先ほどのブリッジ回路で考えると、もし検流計に電流が流れたとしても平衡状態と平衡状態からのズレを知れば、その時の測りたい抵抗を求めることができます。

差の小さい量を測ればいいので、結果として高精度測定することができるのです。

 

④置換法

定量と基準値を置き換えて2回の測定結果から測定量を知る方法です。つまり、あらかじめ用意しておいた1回目の測定量を基準値として正しく設定し、対象に差分を加えた2回目の測定量から正しい測定値を得るということです。天秤で例えると、1個だけの普通サイズの分銅を乗せた時の重量を基準とし、同じ天秤の皿に小さな分銅を少しだけ乗せたときの重量をはかり、小さな分銅の重量を知るという行為です。

この方法の利点としては計測器が同じであれば、計測器特有の精度を考慮しなくても良いという点があります。

 

⑤直接測定と間接測定

最後に測定の大まかな分類として直接測定と間接測定とがあります。まず、直接測定は測定量と同種の基準として用いる量と比較して行う測定です。わかりやすく言うと、同じ単位を用いているもの同士で比較を行うと言うことです。これに対して、間接測定は測定量の一定の関係にある、いくつかの要素の量について測量を行って、それらの要素の測定値から関係式を使って測定量を導き出す方法です。つまり、測定対象が測定器と同じ単位でなくとも、関係式さえ使えば測定量を知ることができるということです。我々電気屋がよくやるのは抵抗測定でオームの法則使うという点です。抵抗を測定したい時に、直接テスターで抵抗を測るのではなく、電流計や電圧計を用いてそれらの計測値からオームの法則を使って計算して抵抗値を知るという方法です。

 

おわりに

というわけで、理系の人なら当たり前の感覚で行なっている測定の薀蓄話を長々してしまいましたが、当たり前の感覚を完全に捨てるとこのように深い話になっていくわけですね。もちろん、当たり前のことができるには越したことはないですが、たまには当たり前の感覚を捨てるというのもいかがでしょうか?次回はもう一つ、測定するのに用いる単位の深イイ話をしていこうと思います。ありがとうございました!

電気系の基礎科目について

はじめに

どうも、こんにちは。前回のブログで、電気系専攻である私の生き方について書いたのですが、その中で電気系の基礎の難易度が理系の分野の中で屈指のレベルだとかなり誇張して書いた気がするんですが、今回はなぜこんなに誇張するほど難しいと言い張れるかを電気系の基礎科目となるのはどういう科目かという話を踏まえながらお話していこうと思います。

 

電気系の基礎となる科目

高難易度の理由を説明する前に、電気系の専門基礎となる科目についてご紹介致します。

 

①数学

電気系が学ぶ数学はいわゆる電気数学と呼ばれるものなのですが、主に、微分積分学線形代数学(ベクトル演算、行列式)、微分積分方程式複素関数フーリエ級数ラプラス変換がありますね。どの科目でも共通して言えることは幾何学的にイメージすべきものが高校よりも何倍も増えるうえに、いずれもイメージがしづらいところなんですね。もちろん大学の数学は難易度が違うので言われてみれば当然なのですが、その通りです。数学は、幾何学的なイメージがどれも必須でそれが出来てようやく理解が深まるものなんです。

例えば微分なんかは、高校でやった勾配だけではなくて発散や回転の種類もあるのでそれらの幾何学的なイメージもできるようにならなくてはいけないのです。

実はこのイメージができるかどうかによって次から紹介する科目を乗り越えられるかが決まってくるわけです。

 

電磁気学

電磁気学は電気的性質を考える上で、最も原点沿って考える科目となっており、次に紹介する電気回路よりも優先度が高い科目だと思います。具体的には、電流と電界と電圧はもともとどういう風にして発生するものであるか、そして、電気回路を構成する基本的な素子、つまり、抵抗、コイル、コンデンサの動作の振る舞い方を幾何学的に考えたりするなどというものがございます。これらは主に数学のベクトルやそれの微分積分の演算をよく用いるので数学がいかに重要かを思い知らされるはずです。

 

③電気回路

電気回路はいわゆる回路解析であり、具体的には抵抗、コイル、コンデンサなどの素子で繋がった様々な回路を数式で表して解くものです。

電磁気学はベクトルの微積分学をよく多用しますが、こちらは微積分方程式、複素関数線型代数学、ラプラス変換など多用する数学の範囲が広く、これらをうまいこと理解していかなければなりません。中には、トランジスタダイオードなどの半導体素子を使った回路解析などもありますが、これらは電子回路という分類に入ることがあります。

 

④現代物理学

これは、いわゆる相対性理論以降の物理学と考えても良いでしょう。普通の物理学と何が違うかといえば、我々が高校の時に習った物理学はいわゆる古典物理学であり、時間と空間が相互に独立で絶対的な概念であるとし、観測対象の質量や状態の変化がないものとして考えておりましたが、現代物理学は簡単に言って仕舞えば、それらを覆して、それらの変化を考慮したものを扱っております。いわゆる、量子力学ですね。この話だけ聞けば、電気系と関係ないかと思われるかもしれませんが、実は電気系の話はほぼ全てこの現代物理学が元になっており、現代の電気工学、電子工学の技術はこの学問の元でもあります。

 

基礎が屈指の高難易度の理由

もう科目の紹介をしただけでなんとなく察してる方もいるのではないかと思いますが、なぜ高難易度かをこのタイミングで説明させていただくと

①すぐに幾何学的にイメージがしづらいものが多い

②大学で習う数学で頭に入れるべき量がかなり多い

③高校物理のやり方ではうまくいかないものが多い

という理由があります。①だけなら理系の分野ならおそらくどこでも言えると思われますが、電気系ならではの難関となるのがやはり②かと思われます。③についてもこれら2つの理由に全く繋がりがないかといえばそうではありません。というのも、高校で扱う物理学というものは、力学にしても熱力学にしても高校の範囲までに習う数学を元にしてやり方を教わるものなのでやはり高校数学まででのやり方だと限界というものがあります。

 

これらの高難易度を突破するには

この話だけを聞けば、電気系を進むのに辟易するのも無理はないですし勉強嫌いの引き金になってしまうのではないかと思われます。かく言う私も、まだまだ浅学の身でこれらの復習に追われているところです。

しかし、これらを容易くこなせるようになるためには電気系の雑誌(電気計算、電気と工事、トランジスタ技術など)などに触れて読んで興味を強く持ったり、実物を見て実態などをよく知ることが重要だと思います。これは前回の最後の方でも同じようなことを説明したことなのですが、やはり強い興味があるかないかでは容易くイメージができるかどうかが全く違ってきています。

是非是非、興味という強い原動力を持って取り組んでいきましょう。

電気系を目指すようになった経緯

どうも、院試がもう少しで控えているローゼンブラックです。

今回は、電気電子系の技術的な話を本格的にする前に、私が電気電子情報系を専攻するに至った経緯と、現在でもその専攻に満足している理由についてお話ししようと思います(とは言っても、今回も少し難しい用語が出るかも知れません)。それから、読者が電気系に少しでも興味持てるようなメッセージを送ろうと思います。

 

専攻するに至った経緯

私が電気電子情報系に専攻するようになったのは、単に身近な電気設備の仕組みに興味があったからというのもあるんですが、特にその中でも鉄道関係の趣味をもう少し学術的に活かせないかと思ったからです。

鉄道といえば、大半は、我々が日常で使う電力よりも大容量の電源を各発電所から変電所を通じてそれを動力源として車両に伝えている、いわゆる電化の路線が多いですよね。その動力源をどのようにして鉄道車両の足回りに伝達しているか、そしてその動力源となる電力はどのようにして鉄道路線に利用可能なところまで変換されるかという研究を主にやりたいところでした。

 

電気系専攻で大変なところ

こんな感じで専攻したわけですが、実際に専攻してみると、電気の分野というものは基礎をしっかり理解するのにものすごく時間がかかるものなんですよね。もちろん、基礎を理解するのに時間があまりかからない専門分野なんかも無いんですがね。ただ、電気系の基礎の分野はかなり多岐に渡っているうえに、イメージがしにくいという点で、理系分野の中でも難易度がかなり高い方だと思われます。

さらに、私の専攻しているところでは私が最もやってみたい電気工学系だけではなく、電子工学系、情報工学系の3つの分野も扱っているところなんですが、それが一つの学科にまとまっているわけなんです。いずれも電気の基本的な性質の理解が必要なんですよね。中でも情報工学系は電気電子の2つの分野の応用編とも言えるものなのでさらに大変ですね。1年のうちはそれらを理解するのに物理学、数学、場合によっては化学の知識も身につけなくてはならなかったんです。おそらく、ここが電気系の分野に精通する人がなかなか輩出しにくい原因の一つなのではないかと思われます。

 

電気系専攻のここがいい

①日常の応用範囲が広くて感動が大きい

先述のように電気系の分野というものは基礎的な分野が多岐に渡っているだけではなく、当然応用分野にもまた多岐に渡っているのです。私が長年趣味としている鉄道分野だけでなく、医療、日常生活に使われる電気機器やライフライン、通信、情報、そして宇宙工学やらの未来の技術にも応用されています。この専攻で十分に学ぶと、我々は日常のあらゆる分野において電気系の研究が役に立っているということを実感すると思われます。このように、電気系の分野は基礎が大変な分、それに見合った感動が大きい分野なんです。もう少しわかりやすく言うと「あぁ!なるほど我々が日常で使っているのはこういう仕組みだったのか」と大きく感嘆するようになると思います。

 

②視野が広く深くすることができる

さらに、基礎分野の範囲が広いと、より深い専門分野を学ぶ上で幅広い知識の引き出しを作り上げることができます。つまりこれは、応用されている分野の問題解決する上で、幅広く深い視野で見ることができるということを意味します。

例えば、よくある問題として機械の故障の問題を解決しようとするとします。もし、電気的な問題が原因で故障したとすれば一つは電気材料的な問題(銅損など)があるのでは無いか?そしてその材料的な問題を考慮したものを解決するためにはどうすれば良いか?これらの問題を解決するのに電子工学系、電気工学系の知恵が必要になってきます。

 

アドバイス

まだまだ学生の身なので偉そうなことは言いづらいのですが少しアドバイスをしておきますと、先述の大変なことは自らの明確な強い目標やきっかけがあれば乗り越えられると思います。それも、結果的には当初と違う目標になってしまっても構いません。とにかく専攻したい強い動機をあらかじめ持つことが必要です。これは電気系のみならず、どの分野を学ぶ上でも共通することでございます。

そもそも目標なしに学びたくなんかないですよね。お小言になってしまうかもしれないですが、正直、今の義務教育の授業だとただただ暗記や作業、無駄な使命感を持たせがちで、学びたいという動機を見つけることがかなり難しいと思われます。そこで、プライベートの生活の中でも自分が気になったものを探ったり見つけたりして強い好奇心を持つことも必要になってきます。前回の概要のところで書いたように、私はこうして学ぶ動機を見つけていきました。私も大学院に行ってもこのことを心掛けるつもりです。

 

ということで、改めて宜しくお願いします。

このブログの概要

はじめまして、ローゼンブラックです。

 

Twitterだと短すぎて一発で伝えきれないことが多くなってきたというのもありますが、結構私の周りで最近ブログを始めてらっしゃる方を何人か見かけるようになったのでそれに私も便乗した次第です。

 

書く内容なんですが、これはすごく迷ってるんですね。というのも、私自身多趣味というのもあるんですが一度触れたもので少しでも気になったものがあれば、沼にはまるまで調べ尽くしちゃう感じですね。

 

ただ、電気電子工学系などの技術的な話が多いかと思われます。この分野に関してはおそらくtwitterのような短い文章だと個人的に最も良さが伝わりにくいのもありますし、精通している人の人口自体少ないこともあるんで、良さを一から伝える場がちゃんと欲しいですからね。

 

もちろん音楽やアニメやゲームなどの趣味の話も同じ割合ぐらいすることもありますが。

 

というわけで少し長い概要でしたが、よろしくお願いいたします。